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不動産Q&A(その他の相談)

重要事項説明書に売主の記名押印は必要?…業者はプライドを持て!
最近の重要事項説明書には売主の記名押印欄があるのですね!?いつのころからか、大手不動産会社が使用する宅建業法35条規定の書面の雛形に、物件売主の記名押印欄が付加された書式を目にするようになりました。これは業界としての傾向でしょうか?
そのような形式を採用している書式雛形は最近増えているようですね。それはそれで理由があるものと思いますが、当近畿流通センターではその形式を採用しておりません。しかし、それもまた正当な理由が存在するからです。

まず、重説書面の根拠たる宅建業法(以下法)第35条第1項には「宅地建物取引業者は、宅地若しくは建物の売買交換若しくは貸借の相手方若しくは代理を依頼した者又は宅地建物取引業者が行う媒介に係る売買、交換若しくは貸借の各当事者(以下「宅地建物取引業者の相手方等」という。)に対して、その者が取得し、又は借りようとしている宅地又は建物に関し、その売買、交換又は貸借の契約が成立するまでの間に、取引主任者をして、少なくとも次に掲げる事項について、これらの事項を記載した書面(第5号において図面を必要とするときは、図面)を交付して説明をさせなければならない」と規定されています。この長文を読み解くには、「誰が?誰に?何に関して?いつ?どのような方法で?どうする?」を明確にすることです。
つまり、本条では「(誰が)宅地建物取引業者が、(誰に)取引業者の相手方等に、(何に関して)当該宅地又は建物に関して、(いつ)契約が成立するまでに、(どのような方法で)規定説明事項等を記載した書面を作成して、(どうする)取引主任者にその書面を交付させ説明させる」と、要約できるのですが、ポイントは「取引の相手方等」を当事者双方ではなく、それぞれの取引の種類と態様に応じた当事者のうち、「買主」と「借主」に限定している(取得し、又は借りようとしている者)という部分です。従って、法律に規定された業務を行うにあたり、規定に従って書式を整備するという近畿流通センターの考え方から、ご質問の「売主の記名押印」は本書面において不要であるという理由です。

なお、売主に記名押印を求める考え方が、同条の「各当事者に対し」という部分で捉えているなら、条文解釈の間違いは明らかですが、一方で、本条の趣旨は、売主の所有物件に関する情報を契約前に理解させる意図があるのですから、説明内容に売主の確認を得ておくという意味は理解できないではありません。しかし、それは本書において求められている訳ではありません(例えば、物件状況報告書や売主告知書などで機能する)ので、重要事項説明書面における記名押印の意味は、売主と買主では違うということに着目すべきと考えます(殆どがそのように理解していないと思われます)。従って、法37条書面(契約書)は当事者双方が同位同列ですから、その規定は当事者双方に責任が及ぶのは当然ですが、重要事項説明書では、たとえ売主の記名押印があっても、記載事項の責任は交付義務を負う宅地建物取引業者に向けられ、「売主も確認している」の言い訳には使えないということに留意してください。
2012.01.31
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「石綿・アスベスト」含有建材の使用は無し!?…ほんとは怖い使用実態の話
当方、複数棟のビルを所有していますが、最近そのうちの1棟を売却した際に、仲介不動産の書類に「アスベスト調査記録の有無」という欄があり、売主(私)はアスベストの調査を行っていない旨と、存在の不知という内容で買主に説明を行っていました。勿論、そのとおりなのですが、少々気になり調べてみますと、かなり最近までアスベスト含有建材が一般的に使用されていることや、昭和50年までは耐火被覆に石綿吹きつけを行っていたことも分かりました。所有するビルは昭和50年代のものであり、40年代のものもあります。今後、売却や解体などを行う場合、「知らない」だけで許されるものなのか。また、実際のところ、世間ではどのくらいの建物にアスベストが使われているのか、教えて欲しいのです。
アスベスト(石綿)は、天然にできた鉱物繊維で「せきめん」「いしわた」とも呼ばれています。石綿は蛇紋石族と角閃石族に大別され、6種類あります。そのうち、わが国で使用された代表的な石綿は、蛇紋石族の白石綿(クリソタイル=世界中の使用石綿のうち90%)と角閃石族の茶石綿(アモサイト)、青石綿(クロシドライト)です。石綿は、極めて細い繊維で、熱、摩擦、酸やアルカリにも強く、丈夫で変化しにくいという特性を持っているため、建材(吹き付け材、保温・断熱材、スレート材など)、摩擦材(自動車のブレーキライニングやブレーキパッドなど)、シール断熱材(石綿紡織品)、ジョイント・シート(ガスケットやパッキンなど)といった様々な工業製品に使用されてきました。しかし、石綿は肺癌や中皮腫を発症する発ガン性が問題となり、現在では、原則として製造・使用等が禁止されています。
わが国で使用される石綿の大半は輸入によるもので、これまでに輸入された石綿は1000万tに達しました。主な輸入元は、カナダ(65.9%)、ブラジル(19.5%)、ジンバブエ(10.6%)となっています(平成16年・日本石綿協会調査)。昭和45年から平成2年にかけて、年間約30万tという大量の石綿が輸入されており、石綿の用途は約3000種といわれる中、大きくは石綿工業製品と建材製品に分けられ、その8割以上が建材製品です。
石綿を使った建材製品は昭和30年頃から使われ始め、ビルの高層化や鉄骨構造化に伴い、鉄骨造建築物などの軽量耐火被覆材として、1960年代の高度成長期に多く使用されました。また石綿は安価で、耐火性、断熱性、防音性、絶縁性など、多様な機能を有していることから、耐火、断熱、防音の目的でも使用されてきました。

しかし、わが国では、昭和50年に石綿の吹き付け作業は原則禁止され、その後、平成7年に石綿のうち有害性の高い茶石綿(アモサイト)と青石綿(クロシドライト)の製造等が禁止となり、白石綿(クリソタイル)についても、近年代替化が進んできたことから、平成16年10月に労働安全衛生法施行令が改正され、白石綿等の石綿を含有する建材、摩擦材、接着剤の製造等が禁止となりました。さらに平成18年9月以降は、代替が困難な一定の適用除外製品等を除き、石綿および石綿をその重量の0.1%を超えて含有するすべての物の製造等が禁止されました(石綿の輸入量は、平成16年では8162t、17年は110t、18年には0t)。
従って、現在では石綿含有建材、製品は製造されていないといえるのですが、完全禁止以前に製造された製品の在庫や、一定基準以下の使用可能量を含む建材等がどのくらい使用されたのかは定かではありません。例えば、昭和50年に吹き付けアスベストが原則禁止となった以降、吹き付けロックウール(ガラス繊維)に切り替わっていましたが、しばらくの間は石綿を混ぜて使用していましたし(昭和43年頃から昭和55年頃まで)、一部の工法(湿式)については昭和63年頃まで使用されていました(現在市販されているロックウールには石綿は使用されていません)。また、アスベスト成形板(石綿スレート、パルプセメント板、石綿セメントサイディング等)は、大量に広範囲で使用されていました。
これらの実態から、石綿または含有建材を使用した建築物は、未だ相当数がわが国には存在すると思われ、その売買や解体に際しての注意が叫ばれています。具体的には、宅地建物取引業者の関与する取引では、すべての建物についてその使用の有無を所有者に確認することとし、調査資料があるときはその内容を、未調査または不知の場合は、購入者に対して石綿及び含有建材等の飛散防止措置の必要性を説明すること(宅地建物取引業法施行規則第16条の4の2)で、売主の負担を免除しているのが一般的です。しかし、貴殿ご指摘のとおり、「順送りのババ掴み」は好ましいことではありませんので、古いビルの所有者は専門家による調査を行っておくことが望ましいといえます。因みに、アスベストの調査はjisA1481(平成18年3月25日制定、同20年6月20日改正)により方法が定められています。簡易な調査は信頼性に欠け、効力もありませんので注意が必要です。調査は図面調査と検体採取、定性分析(顕微鏡とエックス線)で、アスベストが含まれているとなると量を測定する定量分析を行います。一度、ご検討されては如何でしょうか。
2011.09.27
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地デジも対象??テレビ受信設備と重要事項説明義務
先日、田舎の古民家付き土地をセカンドハウス目的で購入しました。その物件は大阪の不動産会社が所有者から購入し、販売用に内外装をリフォームして「売主」としてインターネットに広告していたものです。引渡しのとき、何気に「テレビは地デジ対応?」と聞いたところ、調べますと。後日業者から「実は弊社も知らなかったのですが、この村には電波受信組合というものがあって、組合加入費が30万円、工事費が15万円ほど要るそうです」と驚きの答えが。とにかく契約のときにも一切説明されていませんし、宅建業法違反は明らかで、全額負担してもらい工事をさせるつもりですが、業者は折半してと言ってきています。どうでしょうか?
宅地建物取引業法第35条の重要な事項の説明義務については、同法に列挙、規定されている事項のみがその対象になるのではなく、その他宅地建物取引業者の相手方が取引の目的に照らし、重要な動機と考えられる事項(例えば静寂な環境が目的の場合に周辺騒音施設の調査報告など)や、事実を告げずまたは故意に告げないことによって相手方が重大な不利益を被るような事項(例えば自殺の事実や近隣に反社会的組織の拠点があるなど)という法47条規定の事項も含まれることは知られています。本件の場合、まず宅建業法35条、47条の説明義務違反に当たるかどうかを検証します。
当然、35条の列挙項目にはズバリ「テレビ受信設備の有無またはその内容」というような文字は見当たりません。また政令や省令(法35条1項14号のイに規定する命令)にも同様の記述はありません。しかし、昨今の一般的国民生活においてテレビ放送が受信できないということは許容しがたく、まして本件売主は宅建業者であって改装工事も行なっていることから明らかに売主業者の落ち度であると言えます。ただ、本件施設は建物付帯設備の一部であると考えられ、売主においてもその事実を知らずにアンテナ設備を設置すれば足るものと理解して当該物件を引き渡したものであれば、宅建業法上の違反を問えるかは疑問と考えます。では買主は泣き寝入りをしなければならないのか、他の方向から検証してみましょう。
民法、商法には売主の担保責任についての規定があります。一般的には瑕疵担保と言われ、隠れたキズの様に解釈されています。キズと言われると欠陥とか機能的不具合の様な感覚になりますが、法的には広義の瑕疵を採用し、「本来備わっているべき設備等が付帯されていないことを買主が知らなかった」場合にも適用されます。書面の都合上、結論を急ぎますが、本件においては購入不動産にテレビ受信設備が付帯されていないことが一般的住宅価値に照らして相当設備に瑕疵があるものとして売主の債務不履行を認め、賠償責任を負う、となりそうです。地デジ時代の到来に向けて、業者さんは十分な調査を!
2010.08.02
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無断駐車・罰金○万円頂きます!看板の実効性!?
京都、八坂神社近くに土地を所有しています。現在空き地で月極め駐車場(月額賃料25,000円)として利用していますが、観光に来られる地方の車がしょっちゅう不法駐車をするので、入り口のまん前に「無断駐車厳禁!発見したら罰金3万円」の大看板を掲示しました。実際に無断駐車をした車の所有者に請求したいのですが、支払わせることが出来ますか?
本件ご質問の結論から申し上げますと、我が「行列の出来る不動産無料相談所」の回答者軍団が出した答えは「支払わせることが可能」90%!
ご質問の要点を整理しますと、
  1. 地主は不法駐車を抑止するため自ら入り口に「無断駐車厳禁」の大きな看板を誰にでも確認出来るよう設置した。
  2. 地主の駐車場は月額賃料25,000円、罰金として明示した額は30,000円である。
  3. 不法駐車をした者には、この看板がよく見えていた。当然、罰金30,000円と書かれた文字、金額も認識していた。
  4. 不法駐車した者は、ここが月極め駐車場として利用されている私有地であることは認識していた。
以上の要点から、ご質問への回答をいたしますと、本件のような場合、民事上の損害賠償請求が認められる可能性はかなり高いと推察できます。一般的な不法行為を成立させるには、故意、過失の立証が必要となります(過失責任主義)が、車を止めた側にすれば、出来心(常習的に利用している場合は別)といえども、目の前に看板が視認出来、且つ罰金の文字を見れば無断駐車が無過失だとは到底認められません。さらに、一般不法行為成立には権利侵害、損害発生、またそれらの因果関係が求められ、違法性阻却事由が必要とされますが、本件はその全てにおいて地主の有利は疑いようがありません。また、罰金(正確には損害金)の金額に法外な違法性はなく、月額賃料の2倍以下なら問題なく認められる金額でしょう(もう少し請求出来そうです)。ただし、注意しなければならないことは、強制的に徴収したり、ひっ捕まえて強迫したりすると、貴方が別の不法行為または強要、暴行の罪に問われることも。法治国家としての自力救済禁止はこのような場面でも当然に効力を発揮しますので、必ず法的手段に頼らねばならないということです。しかし、その場で車の所有者が素直にお金を 差し出したら、受取っても差し支えないでしょう。おっと、領収書は切って差し上げてくださいね。(民法709条)
2010.06.30
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省エネ環境ブームに乗れるか?住宅エコポイント創設!
今年こそは「マイホーム」と思っている倹約主婦の友子と申します。去年はハイブリッド自動車や家電エコ製品が不況にも係わらず飛ぶように売れた1年でしたが、聞く所によると住宅にもエコポイント制度があるとか?どんな住宅を建てればポイント還元を受けられるのですか?住宅だから「ン百万円」とかポイントがつくのかしら?教えて下さい!
2009年来、環境政策の一環としての特定省エネ商品に対するエコポイント制度が、ハイブリッドカーや超省エネ家電製品の買い替えバブルを引き起こしました。この度、経済産業省・国土交通省・環境省の政策(三省合同事業)として、「住宅版エコポイント制度」の創設が閣議決定され、平成21年度第2次補正予算の成立を条件に、エコポイントの対象として住宅(指定部材含む)が仲間入りを果たします。詳細は未定ですが、主な内容として決定されている部分をご紹介しますので、ご参考下さい。

■エコポイントの発行対象
補正予算の成立日以降に、原則として、工事が完了し、引き渡された住宅が対象
(ただし、エコ住宅の新築については、平成21年12月8日以降に建築着工したものに限る。)
  1. エコリフォーム
    ・窓の断熱改修(内窓設置(二重サッシ化)、ガラス交換(複層ガラス化))
    ・外壁、天井又は床の断熱材の施工
    ※これらに併せて、バリアフリーリフォームを行う場合、ポイントを加算
  2. エコ住宅の新築
    ・省エネのトップランナー基準(省エネ基準+α(高効率給湯器等))相当の住宅
    ・木造住宅(省エネ基準を満たすものに限る)

■エコポイントの交換対象
○家電エコポイントの交換対象商品等
・商品券・プリペイドカード(環境寄付を行うなど環境配慮型のもの、公共交通機関利用カード)
・地域振興に資するもの(地域商品券、地域産品)
・省エネ・環境配慮に優れた商品など
※家電エコポイントに比べ、発行されるポイント数も大きくなることから、交換対象を多様化する予定
(平成21年12月8日「明日の安心と成長のための緊急経済対策」より)
2009.12.22
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「ウチの真上にアンテナが!…マンション生活も楽じゃない」
居住しているマンション屋上に携帯電話基地局設置の案が出ています。最上階フロアは全室反対を表明していますが、マンションの理事会は設置の方向で話を進めています。当マンションは600軒(全棟は7棟)ほどあり、なかなか反対票をとるのが難しいと考えております。理事はマンションの資産価値が上がると言っていますが(賃料が月20万円入ってくる予定)本当でしょうか。そもそも当マンションは分譲であり区分所有者が反対しているにも係わらず建設できるのですか。回答とともにアドバイスがあればお願いいたします。
一棟の建物を共有する所有権の形態を採る区分所有マンションにおいては、個々人の好き勝手に共有財産を処分、変更出来ないよう、一定のルールを定め、その正当な利益を法律が保護しています。これが「管理組合規約規則」であり、「建物の区分所有に関する法律」なのです。
まず、大前提として、今回の携帯電話基地局設置の行為が区分所有法に定めるところ(処分・変更・管理)のどの部分に該当しているかですが、携帯電話用電波受信アンテナを貴殿が居住されている号棟の屋上部分に設置するということから、共用部分の変更にあたると考えられ、区分所有法には次の規定が示されています。

第17条 共用部分の変更
「共用部分の変更(その形状又は効用の著しい変更を伴わないものを除く。)は、区分所有者及び議決権の各四分の三以上の多数による集会の決議で決する。ただし、この区分所有者の定数は、規約でその過半数まで減ずることができる。」
従って最上階全室のみの反対だけでは600所帯の管理組合員の4分の3に対抗することは出来ないでしょうから、総会議決の際には、単純に151議決権を反対票として集めなければならなくなります(但し書適用の規約があれば、76議決権)。このような特別決議を要する案件は、反対意見を管理組合理事会において充分議論し、全体アンケートや個別意見を参考にしながら進めて行かなければ、後に住民同士にしこりを残すことにもなります。また、資産価値は、組合収入が年間240万円増額し、当該マンションの財産が裕福になるという部分では一理ありますが、設置したアンテナの維持管理費用やデメリットも資料を開示させて検討することは必須です。

そのうえで、秘策を一つ。
17条2項 専有部分の所有者の承諾
「前項の場合において、共用部分の変更が専有部分の使用に特別の影響を及ぼすときは、その専有部分の所有者の承諾を得なければならない。」
この定めを援用し、もし、アンテナ設置による重大な影響を貴殿ら上階占有者が少なからず受けるとするなら(例えば、電波障害や電波による健康被害、外観を損なうことによる資産価値の下落など)、関係する当事者の承諾を得なければ決議無効となることをもって、理事会に諮ることができます。充分に納得して結論を導き出してください。
2008.6.19
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固定資産税等精算金に消費税って不当利得!?
不動産業者所有の中古マンションを購入し、残代金の精算時に色々な諸経費を支払いましたが、その中で固定資産税、都市計画税、管理費、修繕積立金の精算金に消費税が付加されていました。税金に消費税が掛るはずは無く、管理会社に確認すると、管理費等は非課税扱いと言われました。これは不動産業者の不当利得ではないのでしょうか?
固定資産税や都市計画税の納税義務者は、その年の1月1日現在の所有者です。年の途中で所有者が変わっても、その年の納税義務者が変更されることはありません。
従って、取引で行われている「固定資産税等精算」は、税金の精算をしているのではなく、売主・買主間で取り決めた、各々の負担すべき金額(固定資産税等相当額)を売買代金の一部としてやり取りしているのであって、税法では取得価格に含まれると解釈されています。
つまり固定資産税等の精算は、売買契約上の約定として売主・買主間で履行する義務が生じるのであって、精算される金銭は「固定資産税、都市計画税」そのものではなく「固定資産税等相当額」という物件価格の一部ということになります。
ただし、消費税は建物の売買には課税されますが、土地の売買は非課税となっていますので、精算金のうち建物部分相当額が本件の対象となります。

また、商売をしている個人や会社(以下「事業者」といいます)で、基準期間の課税売上高が1000万円を超える場合、その事業者は消費税の課税事業者となりますので、売主が不動産業者だからということではなく、課税事業者であるか否かが消費税の転嫁に関わってきます。従って、管理費等も、その清算を売主事業者との間で行うのであれば、当該マンションの価格の一部となりますので、消費税を転嫁しても不当利得とは言えないことになります。

なお、一般的に分譲マンションの管理組合が管理費に消費税を転嫁していないのは、管理組合会計が公益法人に準じて行われ、管理費や修繕積立金の徴収が課税対象事業とされないことや、管理組合そのものが収益事業を行うことがなく、課税事業者になっていない等の理由からです。しかし、法人、非法人組合の別には関係なく、管理組合は消費税法上の課税対象事業者ですから、管理組合の課税売上高(例えば施設や備品の売却等)が1000万円を超えた時は課税事業者となり、管理費(積立金は除く)に対して消費税を転嫁することも違法なことではありません。逆に管理費等に消費税を転嫁して徴収すれば、当然に課税対象収益として会計処理をすることになります。
2008.3.6
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車庫証明の手続きについて
駐車場を借りているのですが、賃貸業者に車庫証明の書類の証明をお願いしたら5,000円請求されました。書類が届き見てみると会社の印鑑が押してあるだけでした。それだけで5,000円というのは高いと思いますがそれは正当な金額なんでしょうか?
まず、車庫証明に必要な書類(正しくは車両保管場所使用承諾書と言います)の発行費用ですが、この件に関してのトラブルは物事の基本的な本質を関係者(地主、借主、不動産業者)が理解していないことから起こっています。
そもそも、この書類(上記承諾書)は駐車場の賃貸人(地主)が賃借人に対し、賃貸物を使用収益させるために必要(車庫証明書がなければ車が購入できない=駐車場を利用する意味がない)なものとして、発行する義務を負うものです。従って、承諾書そのものが有料であるというのは根拠に欠けるところです。ですから、この費用は単に承諾書を発行する手間賃的な事務手数料だということを知った上で、5,000円が高いか安いかの判断をしなければなりません。但し、紙切れにハンコという量的な基準ではなく、ご自分が地主サンからこの承諾書を直接頂くとした場合の手間、時間、労力を基準に判断されることが必要です。なお、駐車場を管理する事業者も、上記承諾書を発行する際に何がしかの費用を請求する場合、かかる費用の根拠を説明できなければ支払いを拒まれることもありそうです。しっかりとお勉強を!
2005.9.15
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隣地の柿の木について
私は尼崎市で駐車場を管理していますが、その駐車場の隣地の柿の木が敷地内に枝を張っており、秋にもなると熟した柿が契約者の車両に落ちて苦情を言われます。また、すずめやカラスの糞害も年中あります。管理者として境界線に沿って枝を切りたいのですが勝手に切ってはだめでしょうか。
宅地建物取引主任者の試験勉強をしたころを思い出します。民法233条「竹林の剪除・截取(せっしゅ)権」を覚える際に、講師から「竹の子食っても柿食うな」なんて教えてもらいませんでしたか。ご相談の内容は同法233条の規定にあてはめて判断すれば、貴殿が柿の木の枝を剪定することは出来ず、柿の木の所有者に枝を切らせることが出来るという権利の主張をするにとどまります。特に後々の近隣関係の悪化を考え、隣地所有者に掛け合ってください。しかし、隣地が空き地で所有者が行方不明もしくは枝を切らないと言ってきた場合はどうでしょう。民法 233条は任意規定であり、規定と異なる慣習等があればそれに従うとされています。地域の慣習として自治会等が定期的に空き地の除草や不法投棄ゴミ等の除去作業を行っているなどの事実があれば、良好な環境を維持するために必要な範囲で当該枝の剪定も許されると考えます。法律は物権(この場合は所有権)の円満な実現に対する妨害を除去・予防するための請求権を認めています(民法197条以下)。緊急避難的措置として枝を切る(民法720条2項)という考えも無くはありませんが、法は自力救済を認めず、占有訴権の存在意義からもそれぞれの手続きを踏まねば、思わぬしっぺ返しを食らうかも知れませんので注意が必要ですね。
2005.6.15
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境界線について
ある業者が隣に家を建築しています。建築前から『境界が違う』とかうちとの境に建っている塀を『ここまで壊しても支障は無いだろう』という威圧的な態度でした。建築物についても、『お宅のベランダとうちのベランダはかぶりません』と言っておきながら、同じ位置にあり、離れていません。建築が始まってからも、建築物にカバーをかけず、こちらのベランダや車、敷地には木屑や釘、ゴミ等様々な物が入ってきました。苦情を言うと『我慢するのが当然』という態度でした。また、カバ−をかけていないため、離れていないあちらのベランダからは工事の方が通るたび、生活を覗かれているようで、心理的負担があるのも事実です。また、うちの敷地にかかって工事の車が止まっていて、車が出せないことを言うと『どっちに出るんだ』くらいな威圧的な態度を取られ、すぐに車も出せません。私たちのような素人は何も取るべき対策は無いのでしょうか?
貴殿のお気持ち、お察しいたします。とかく最近の世の中は、建築工事に限らずあらゆるところで身勝手な行為言動が横行している気がしますね。ピカチュウは人気者でも、自己中は許せません! 本件ご質問の現場に回答者が立ち会っていたわけではありませんが、貴殿に限らず建築現場でよく耳にする苦情です。この際、当該建築工事の差し止めを求めて法的手段に訴えたいところですが、よく聞く工事差し止めの仮処分とは、現に係争中の権利を保全するため(民事保全法23条1項)、或いは権利関係の争いがあることによって、債権者に生じる不安や危険を除去するために仮の地位を定め、債権者を保護する目的で認められるもの(同23条2項)の2通りしかありません。従って本件の場合は、近接するベランダに民法 235条(観望施設の制限)違反が認められ、業者が目隠し板を設置しないなど、貴殿の権利を保護する必要性がある場合以外は、この請求は認められないことになります。しかし民法709条は「不法行為」として当該建築工事によって貴殿が受けた受任しがたい迷惑を、損害賠償という形で救済できるとしています。 当然、業者は故意ではないと反論するでしょうが、不法行為は故意・過失を問いませんから、相手方が充分な注意義務を怠り、通常予見し得る損害を与えた事実があれば不法行為責任を負うとされます(大判・大5・12・22民録22.2474)尚、当協会は宅地建物の取引に関与する事業者の団体ですから、本件建築行為の内容については管轄外であることをご理解ください。
2005.2.15
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『業として行う』について
宅地建物取引業法にある業として行うというのは、不特定多数の人に反復継続して行うこととありますが、イマイチ要領を得ません。何かの本の例には、社員に売る場合は業にならないとかありますが、社員も入社したり、やめたりして人数も変わり結局不特定多数にならないのですか?これが特定しているというのなら、○市の住民登録をしている住民にしか売らないというのも特定していることになるのではと思います。反復継続というのも個人が50部屋のマンションを仲介業者を通して売る場合に、この一棟のみで後はやらないというなら反復継続していないので業にならないのではないでしょうか。
まず、宅地建物取引業法2条2号には宅地建物取引業の定義がされてますが、「業として行う」とはありますが、その解釈を「不特定多数の人に反復継続して行うこと」などとは説明しておりません。確かに一般論として「業として行うこと」の定義の一つではありますが、そのこと=業としてにはならないと考えます。平成13年1月6日国土交通省総動発第3号1の(1)に、「業として行う」とは、宅地建物の取引を社会通念上事業の遂行とみることが出来る程度に行う状態を指すものであり……諸要因を勘案して総合的に判断する、という考え方を示しています。
従ってご質問中の企業の従業員に対する分譲も、従業員が不特定多数の相手方に当たるか否かという議論はさほど重要ではなく、あくまでも企業の行為に事業性(一定の利益を目的とし、転売の為に物件を取得するなど)が高いかどうかを判断の基準とすべきであると考えます。なお、不特定多数の解釈としては、当事者間に特定の関係が認められないものとしていますので、雇用関係は明かに当事者間における特定の関係が存在するものであり、その定義からは除外されます。それから考えてみますと、ある都市の住民登録をしている者のみを対象とする分譲については、企業側が企画する販売戦略の問題であり、企業と住民の間に特定の関係は認められず、雇用関係とは逆に不特定多数の対象といえます。また、「反復継続」の解釈ですが、50室を個別に販売することは、売買行為そのものを50回反復することであり、たとえ、当該事業1回のケースといえども前述した不特定多数を対象とし、事業性を帯びている限り、業として行うことに当たり、議論の余地は無いと考えます。
2004.8.15
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印紙について
平成15年に新築一戸建てを購入したので確定申告に行ってきました。しかし提出願書類の「売買契約書の写し」で印紙が貼っていないのでその日は提出できませんでした。印紙の貼ってない売買契約書でも有効なのでしょうか。また印紙は自分で用意しなければならないのでしょうか。支払手数料に売買に関する費用はすべて含まれると思っていました。また素人としてはいくらの印紙を貼るのか分からないし、契約時なら15、000円(税務署でこれくらいと言われた)も大きな額ではありませんが、今では大きな額です。
西暦645年(大化元年)中大兄皇子や中臣鎌足らが中心となって、中央集権国家を建設するため行った政治改革(大化の改新)の基本構想の中に、租・庸・調と呼ばれる税制を定めて以来21世紀の現代まで、国家を維持するために課せられた「納税の義務」を私達国民は常に負っています。と、言うと何か懐かしい歴史の授業を思い出しますね。さて、現代の税制には多様な制度が存在しますが、流通税(財の移転に着目して課税する税)と位置付けられる税金の税目の中に、この印紙税があります。印紙税は通常、収入印紙を貼付して納税するのですが、貴殿の法律行為(不動産の売買)にも複数の種類の課税対象行為が存在しています。(売買契約・登記・不動産取得・不動産保有など)また、これらの税は納税義務者と担税者が同一である直接税といわれる税金で、貴殿が購入した住宅に課せられた消費税は、納税義務者が事業主である間接税といいます。したがって、消費税は価格や仲介手数料に含まれますが、貴殿ご質問の印紙税は仲介手数料や価格に含まれるものではないことは勿論、貴殿(買主)だけでなく売主にも当然課せられている税なのです。仲介不動産会社の受け取る手数料は、仲介会社の労役に対して支払う報酬ですから、印紙は納税義務者の貴殿が用意して貼付することになります。ご理解ください。なお、印紙不貼付と法律行為の有効無効には法的な関係はありませんので、当該売買契約は有効に成立します。

難しい言葉になりますが、課税要件(租税構成要件)が充足(本件の場合は貴殿の不動産売買行為)された貴殿に、租税債務が発生し、納税義務が課せられます。(国税通則法、国税徴収法、印紙税法など参照)。

なお、印紙不貼付や不消印には、故意過失を問わず過怠税(現行納税額の三倍)が課せられますので、くれぐれもご用心を。
2004.4.15
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