事業者向けの相談

今更聞けない「耐震基準適合証明」…実は、既存住宅売買の強い味方!

既存住宅市場の活性化と言うけれど…。
大変お恥ずかしい話ですが、一般仲介業務を多く扱っている弊社の営業でも、住宅家屋証明による登録免許税の軽減対象住宅、所謂木造築20年、耐火25年以内の物件以外、軽減措置はありませんとお客に説明したり、住宅ローン控除も同様との認識でしかなかったりしています。本当は築年数の古い住宅でも耐震基準適合証明を取得すれば、それなりの優遇が受けられることをちゃんと理解しておらず、手続についても無知であるという現状です。
今更ながらですが、築年数が古い住宅の税制優遇措置について解説頂きたくお願いする次第です。
ご質問の「耐震基準適合証明」を利用した既存住宅の税制等優遇措置適用について解説します。
先ず、居住用既存建物の売買取得に関する税制(平成29年8月1日現在)を纏めると以下のとおりです。
1.住宅ローン減税(所得税、個人住民税)
2.住宅取得資金に係る贈与税の非課税措置(贈与税)
3.不動産取得税に係る特例措置(不動産取得税)
4.認定長期優良住宅に関する特例措置(所得税、個人住民税、登録免許税、不動産取得税、固定資産税)
5.認定低炭素住宅に関する特例措置(所得税、登録免許税)
6.買取り再販で扱われる住宅の取得に係る特例措置(登録免許税、不動産取得税)

住宅の購入者にとって、新築住宅(築後1年以内で未入居のもの)か既存住宅(新築以外のもの)にするかは様々な要因によって決定されるので、単に「新築だから」という理由は、購入者アンケートなどでも一番の要因ではなくなってきています。しかしながら、住宅の取得に応じて付随する各種の税金は頭の痛いところであり、出来れば経費は抑えたいと思うのも当然ですが、新築であれば多くの税制優遇措置にあやかれるところ、既存住宅であるが故に優遇措置の適用外という制度の壁に直面し、計算機を叩いて最終的に有利な新築を選ぶ消費者も多いことは事実です。そこには、不動産仲介に携わるプロであっても、税制優遇の適用の可否について知識が乏しく、少しの工夫または必要な手続きを経ることによって新築と変わらない優遇措置が適用されることを見逃してしまっているという残念な状況も耳にするところです(見逃したことで消費者からクレームや損害賠償を求められることも)。

ローン控除が使えるって言ったじゃん!
さて、本件では築年数の古い住宅の取得に関して、ということから、木造住宅では築20年を超え、耐火建築物にあっては築25年を超える住宅の取得に際して前述の税制優遇を受ける為には何が必要かを纏めます。
先ず、住宅の要件ですが、国は現在既存住宅の流通市場活性化を命題として住生活基本計画(全国計画・平成28年3月18日閣議決定)を公表していますが、そこには国民の住生活の質の向上が謳われており、どんな住宅でも良いとしているわけではなく、一定水準を求めています。従って、各種の優遇政策も住宅に最低限度の要件を課しています。
1.個人の居住用であって、床面積合計が50屬魄幣紊任△襪海
2.耐震性に関して、築後20年以内(耐火建築物は25年以内)であるか、建築士、指定確認検査機関、登録住宅性能評価機関または住宅瑕疵担保責任保険法人が証明する耐震基準適合証明の交付を受けた住宅であることもしくは住宅性能評価住宅で耐震等級が1〜3であることまたは既存住宅売買瑕疵担保責任保険付保住宅であること
としており、地震災害の多い我が国の住宅の必要条件としての耐震性を重要視しています。

上記の要件が税制優遇適用には必須の共通条件ですので、既存住宅の仲介業務を行うプロの営業マンとしては、必ず押さえておかなければ顧客に思わぬ損害を与えてしまうことになりかねません。中でも、住宅性能評価を受けていない住宅や、瑕疵保証保険を付けていない住宅は流通シェアの相当数を占める(一般のユーザーが売主の場合、割合は高い)と考えますので、物件の媒介等を取得した際には、既存住宅のメリットを最大限活かす為にも、購入顧客に税制優遇をアピールすることが大切です。そこで、最も活用されている「住宅家屋(軽減)証明」について解説しておきます。

耐震基準適合証明はけっこう大変です!
既存住宅の購入にあたり、築年数が古い住宅にあっては、住宅家屋証明書の交付申請に耐震性を証する書面の添付が必要です。現在の税制措置(平成30年3月31日まで適用)では、不動産取得税軽減措置について昭和57年1月1日以降の建築物であれば本則4%が3%の税率の適用と、新築時の課税標準額の控除が受けられますので住宅家屋証明は不要ですが、購入者にとって最も関心の高い「住宅ローン減税」の適用については、住宅家屋証明が必要です。つまり、その為には耐震基準適合証明か、住宅性能評価書または既存住宅瑕疵保証保険の付保を引き渡しの前に売主側で揃えておかなければ各種の減税措置の対象とはならないということです(耐震基準適合証明は引き渡し後買主が取得することでもローン減税の対象となるが、その場合は引き渡し前に仮申請が必要となることに注意)。
耐震基準適合証明書取得に限って言えば、木造一戸建ての場合であればまだしも、集合住宅(所謂分譲マンションなど)の場合は、建物一棟全体の耐震性能を調査することになるので、相当な期間と費用が必要であり、区分建物の1室だけを売買する売主または買主が個人で負担できるものではなく、管理組合での決議を経て耐震診断を行い、必要であれば改修工事を行ったうえでなければ交付されません。そのことも営業マンは理解した中で、販売するマンションンの状況を把握しておくことが大切です。
2017.09.05
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