事業者向けの相談

安心R住宅登録制度スタート…利用上の重点ポイントは!?

安心Rとは、リユース、リフォーム、リノベーション
全日本不動産協会の会員です。本年4月から安心R住宅という既存住宅の購入者が抱く不安を一定取り除く為の基準をクリアした中古住宅に与えられるラベルが利用出来ると聞いています。研修会にも参加しましたが、実際の現場で起こり得るケースでの疑問は解決出来ておらず、今後発生するリスクや消費者が本当にこのマークを信用してくれるものなのかどうか、宅建業者としてしっかりと理解して使っていかなければならないと思う次第です。
そこで、研修会では聞けなかったより具体的な疑問にお答え頂けませんでしょうか。宜しくお願い致します。
先ず、安心R住宅制度が担う目的とは何なのか。そこを十分に理解することが非常に大切なポイントです。
国土交通省より不動産流通の現場に提案された今回の安心R住宅制度創設には、次の3つの既存住宅に係る問題を払拭することから既存住宅の流通をスタートさせるという主旨に外なりません。
1.既存住宅は新築に比して外見や設備、仕様が「汚い」「古い」
2.既存住宅は新築に比して設備や建物の性状が「不明」「不安」
3.既存住宅は新築に比して全ての面で情報が「少ない」
これらが我が国の既存住宅市場の活性化にブレーキを掛け、一般国民が既存住宅に対する偏見を抱く要因であるとし、最低限、この3つの要因から生まれる消費者の不安を払拭して流通市場に投入すべきであり、さすれば現行の流通の流れ(新築志向)が大きく変わり、既存ストックの有効活用という住生活文化が育まれるのではないか。その起点となる制度を今回創設したということです。

質問1.全国宅地建物取引業協会連合会では、安心R住宅登録物件を宅建業者の買い取り再販物件に限定していると聞きました(3月27日付日刊不動産経済通信)。全日本不動産協会でも同様ですか?
回答
本制度は流通形態を限定するものではありません。制度構築に当たっては、ロゴマーク利用の仕組みを一定数の宅建業者を会員に抱える事業者団体等に権限を与え(特定既存住宅情報提供事業者団体)ていますので、全宅連会員は現在のところ再販物件のみですが、全日本不動産協会では業者買い取り再販物件の他、専任媒介(専属専任含む)物件にも利用が可能です。

質問2.住宅性能表示制度と安心R住宅が混同します。
回答
住宅性能表示制度は「耐震等級〇」「省エネ等級〇」等、住宅の性能を表すものです。「安心R住宅」は性能を表示するのではなく、建物状況調査を経て不具合箇所を明示し、既存住宅売買瑕疵保険付保基準や新耐震基準に適合するなど、一定の品質を備えた既存住宅に標章を付すものです。顧客には十分な説明が求められます。

質問3.安心R住宅=住宅ローン減税の対象と考えて良いですか?
回答
住宅ローン減税対象物件の要件である、耐震性能の有無については制度上、既存住宅売買瑕疵保険基準が求められますのでクリアしますが、安心R住宅は床面積制限がありませんので、50嵬にの住宅ではローン減税の対象となりません。販売の際に注意が必要です。

質問4.安心R住宅として広告されたことのある物件を購入し転売する際、再度インスペクション(建物状況調査等)などを実施する必要がありますか?
回答
制度は、安心R住宅の標章利用について期限を設けています。過去に制度表示を受けた住宅でも、売却された時点で有効期限が終了しますので、改めて販売するときは安心R住宅の適合を確認する必要があります。ただし、建物状況調査実施報告書や加入済み既存住宅瑕疵保証保険、リフォーム提案書等は、それらの有効期限内であれば再利用が可能です。
なお、媒介契約の期間満了後、契約を更新する場合も改めて「安心R住宅調査報告書」を作成し、登録団体へ提出が必要となります。

質問5.今回受けた研修はもう行わないのですか?
回答
特定既存住宅情報提供事業者団体は、当該事業を適確かつ円滑に実施するための研修として、規程、許諾を得た構成員が遵守すべき事項、住宅リフォーム工事の実施判断の基準等について実施しなければならず(研修の方法については、特段の定めはありません)、全日本不動産協会では今後も全体研修の他、インターネット配信の研修教材を準備しています。詳しくは協会事務局にご確認下さい。

質問6.宅建業者が買い取り再販する売主物件が安心R住宅である場合、それを媒介する業者とも専任媒介契約を締結する必要がありますか?
回答
登録団体の構成員(宅地建物取引業者)が標章を使用する場合、売主と専任(専属)媒介契約を締結することにより、住宅ごとに元付業者となる構成員及び登録団体を特定することとしています。これは、住宅購入者から見て、標章に関する責任の所在を明確にするためです。ただし、構成員が自ら売主として標章を使用する場合は、標章に関する責任の所在が明らかであることから、他の宅地建物取引業者と専任(専属)媒介契約を締結しなくても差し支えありません。

質問7.安心R住宅に登録するために行う斡旋、調査報告書作成、既存住宅瑕疵保証保険等に関して発生する業務に対する報酬は、仲介手数料とは別途に請求出来ますか?
回答
上記の各業務は専任(専属)媒介契約に基づく販売活動行為の一環として行われるものであり、宅地建物取引業者が受領できる報酬(国土交通省告示)とは別にこれらの手数料等を受領することは出来ません。

質問8.安心R住宅に登録した物件を売買する場合、重要事項として書面に記載する必要はありますか?また、あるとすればどのような内容でしょうか?
回答
宅地建物取引業法第35条の記載事項として明記されていない事項であっても、他の重要事項と同様、買主が当該登録住宅に関する調査報告内容を重視して購入するなど、購入の動機となるような重要事項である場合は、適宜重要事項説明書面または同法37条書面(売買契約書)に記載して説明する必要が生じます。
例としては、既存住宅売買瑕疵保険付保条件を満たしているが、保険加入は買主の負担とするような場合で、買主が当該保険に加入出来ることを条件として買い受ける場合は、契約の解除に関する事項に記載が必要となります。

質問9.インスペクション(建物状況調査等)の実施に係る費用は誰が負担するのですか?
回答
本制度上は、ご質問の費用負担については特段定めがありません。しかし、安心R住宅の登録は、既存住宅の販売活動に際して購入者の不安を一定取り除くことが主旨であるところ、一般的には対象物件の売主が負担して適合の有無を調査することになろうかと思料します。

質問10.「安心R住宅調査報告書」の内容が誤っていたことが判明した場合、報告書を作成した宅地建物取引業者に宅地建物取引業法上の責任が及びますか?
回答
調査報告書の内容に対する責任は、報告者である宅地建物取引業者が負います。しかしながら、それぞれの調査項目について(インスぺクションは既存住宅売買瑕疵保険の取扱保険会社及び指定建築士、リフォーム提案内容については提案者、告知事項については売主など)専門分野を担当する者の責任の所在は明確ですから、宅地建物取引業法上の監督処分に際してそれらは考慮されて当然と考えます。

これで安心だね!!
2018.05.07
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