全日近畿・不動産フォーラム2012 in Osaka

“全日近畿・不動産フォーラム 2012 in OSAKA”“巨大災害に備える住宅の防災”

■〜今なら間に合う!?我が家の防災対策!!〜
【日時】2012年11月18日(日)11:00〜17:00
【会場】大阪市中央区大手前1-7-31
大阪マーチャンダイズマート
【主催】全日本不動産近畿流通センター

平成24年11月18日に「全日近畿・不動産フォーラム」を開催し無事終了致しましたことをご報告申しあげます。
今回のシンポジウムのテーマとして「大阪発・実効性ある住宅防災対策のスキーム…不動産業者が開拓する防災ビジネスの新市場」を掲げました。近い将来予想される東南海地震や、上町断層など活断層による都市直下型地震から想定される甚大な被害に対する備えとして、行政を中心にあらゆる分野で対応が急がれている防災対策。我々不動産業界においても当事者意識を強く持たなければなりません。住宅等の高耐震化の促進や、有事の際に効果的なコミュニティの構築などを実現するための手法を研究し、防災ビジネスという新たな市場を開拓して、不動産業者がその主導的な役割を果たして行かんとするものです。
プログラムでは、都市減災戦略、防火避難計画、防犯環境設計分野の権威、関西学院大学総合政策学部教授 室﨑益輝氏に基調講演、パネルディスカッション、懸賞論文講評を行い、同時催行で出展企業の展示会、セミナー、物産展等を設営し進めてまいりました。
本フォーラムの開催に際し、ご協力ご協賛賜りました団体各位様、協賛企業様、御来場いただきました皆様方へ深く感謝申し上げます。
平成24年11月19日
社団法人全日本不動産協会 全日本不動産近畿流通センター
運営委員長 不動産フォーラム実行委員長 梅原 寛克
受賞論文発表 山田勝彦氏の論文 嶋本勝浩氏の論文
  • ※ご協力ありがとうございました。

平成24年度 近畿地区 取引・苦情処理業務指導者研修会

平成24年12月5日
公益社団法人不動産保証協会/社団法人全日本不動産協会

【演習問題】
“取引相談事例の検討及び対応について”

事例(1) 意思無能力と代理行為について
「本人A(80歳)が,自宅を売却することを計画し,長男Bを代理人として売買契約を締結しようとしている。
長男Bが全て窓口となっているが,委任状を持っており,全て自分が契約し,重要事項の説明を受け,全責任を持ちますと述べている。」

「仲介業者Cは,一度だけ,長男Bの面前で,本人Aに電話して話しをしたが,会話のやり取りは普通であり,言葉少なではあったが,「長男Bに任せています」と述べるだけであった。以後,長男Bが代わってやり取りをするため,本人Aとの詳細なやり取りはできなかった。
ただ,自宅へ訪問した際の状況,長男Bの口ぶりから,本人Aは施設への入退所を繰り返しているようである。」

「後に,本人Aが認知症であったことが発覚し,本人Aの成年後見人が,本件売買契約が無効であると主張するに至った。」

質問1
仲介業者は,契約者の認知症の程度について,どこまで,どのように調査し,判断すべきであったか。
自宅の売却と,他人に賃貸している駐車場の売却とで違いはあるか。売主側・買主側の仲介業者とで注意義務は異なるか。

Ex. 長男からの聞き取り,本人の直接の意思確認はどこまで必要か。隣人・医師・介護士やケアマネージャーまで調査すべきか。
質問2
長男Bの持参した委任状に署名(自署)・実印が押印され,印鑑証明が添付されており,長男が適式な代理人として行動した場合はどうか。
仮に,妻Dが代理人として行動した場合とで違いがあるか。
質問3
当初,作成された委任状が白紙委任状であり,代理人が自ら全て委任事項を書込んでいた場合はどうか。
質問4
売買契約書に,長男Bが,「本人A」と代筆した場合はどうか。「本人A代理人B」と記載した場合とで,何か違いはあるか。
質問5
代理人である長男Bに対して,無権代理人・表見代理人としての責任は追求できるか。その場合,どういう責任を追及するか。
長男Bが,本人Aの意思能力について,何ら問題ないと信じていた場合はどうか。

【演習問題の解説】

【意思無能力とは】

(1)意思能力の判定について
  • ・意思能力とは?(意思能力,行為能力,権利能力とは)
    権利能力〜法律上、権利義務の主体となることのできる地位または資格。法的人格ともいう。なお、権利能力は行為能力と区別されなければならない。というのは、後者は、法律行為を自ら現実になしうる能力を意味するからである。権利能力は、権利を享有し得る資格なので、権利を取得するための行為ができる能力とは異なる。よって、権利能力がある者でも、行為能力を有しない者や制限されている者もある。

    意思能力〜法律関係を発生させる意思を形成し,その行為の形で外部に発表して結果を判断・予測できる知的能力

    意思能力の有無は,個々の法律行為によって具体的に判断される。身分行為・財産行為で異なる。更に,財産行為の中でも「小額の金員の管理」「多額の金員の管理」では必要とされる意思能力は異なる。
    → 不動産の売買・賃貸については,比較的,要求される意思能力は高いと思われる。

    行為能力〜法律行為を単独で行うことのできる法律上の資格

    本人が単独では,法律行為を行う能力(行為能力)がなく,能力が制限されているものを制度化

    意思能力の有無の証明の困難さを回避して取引の安全を図る。

    未成年・成年後見人〜意思能力が制限されているので意思能力の欠けている事を証明する必要がない。

    意思能力がない〜本人が意思能力のないことを証明しなければならない。
・意思能力の判定のための問診の実際
・医師の診断書
・長谷川式スケール等
(2)意思能力の欠如を理由とする契約無効
・契約無効との請求は,通常誰からなされるのか?
・契約無効との請求をなしうる利害関係人
・買主に生じた損害の賠償責任は?
(3)契約無効に対する代理人の責任
無権代理人の責任
表見代理人の責任
(4)取引に関わった司法書士,仲介業者の責任
<判例の紹介>
損害賠償等請求事件
  • 【事件番号】東京地方裁判所判決/平成16年(ワ)第16356号
  • 【判決日付】平成19年4月27日
  • 【判示事項】高齢の独身者で、意思能力にも不安があることを事前に知りながら、売買契約及び覚書合意の内容をほとんど説明することなく締結した同契約・覚書合意は公序良俗に反するとした事例
(ポイント)
原告は,被告が高齢者であり,かつ,貸金業者Eとの関係で著しく弱い立場にあることや,被告の意思能力について問題がある可能性を理解していたものであるから,取引当事者としての信義則に基づき,本件売買契約を締結するに当たり,被告の理解力及び判断力について特に注意を払って対応し,その意思の確認をしなければならない義務があったというべきである。

原告は,本件売買契約の締結日においても,直接に又は関係仲介業者を通じて,被告の売却意思を確認した上で,本件売買契約書及び本件覚書の内容を十分に説明すべきであった。



土地建物所有権移転登記抹消登記請求、売買代金返還請求反訴、建物明渡請求事件
  • 【事件番号】東京地方裁判所判決/平成5年(ワ)第1630号、平成7年(ワ)第8166号、平成5年(ワ)第14298号、平成6年(ワ)第18803号
  • 【判決日付】平成8年11月27日
  • 【判示事項】不動産売買において痴呆症の高齢者が代理権授与の際に意思能力を喪失していなかったとされた事例
(ポイント)
弁護士である参加人小山田は平成四年一一月二日永生病院において入院中の花子と面談したが、その際、同人は車椅子に乗ったままではあったが、面談中同参加人が花子の判断能力に疑問を感じることはなかったこと、花子は同参加人が弁護士であることを認識し、花子が負担していた二五〇○万円の借入金債務の清算のために本件土地建物を売却することを同参加人に依頼したこと、そこで、同参加人が本件委任状を起案し、委任事項として右土地建物の売却、右売買代金の受領及び右債務の弁済等清算手続を記載し、これを逐一花子に説明し、同人はこれを納得したこと、そして、本件委任状のコピーに必死になって署名を試みたが、手が激しく震えて横長になり上手く書けず、コピー全部を失敗したこと、そのため、同参加人の指示に従い、残った原本に丙川が手を添えて署名し、左手で指印を押したこと、そして、同参加人が翻意の機会を与える意味もあって右委任状に印鑑を押して送付するように指示したところ、右指示どおり指印の横に印鑑を押捺した本件委任状が同参加人に郵送されてきたこと、右委任状に基づき、同年一二月一〇日、西日本銀行新宿支店において本件売買契約が締結された。
  • ・夫婦の日常家事に関する代理権(民法761条)と表見代理(民法110条)
    【昭和45年02月27日最高裁判所第二小法廷(昭和44(オ)1274)】
    妻が夫を代理して手形貸付取引契約(妻の知人が上告人信用金庫から貸付をうける取引契約)の連帯保証をなす権限が妻の日常家事代理権の範囲内に属するとは認められないとした事例。

    夫婦の一方が民法761条に基づく日常家事代理権の範囲を越えて第三者と法律行為をした場合においては、その代理権の存在を基礎として広く一般的に民法110条所定の表見代理の成立を肯定すべきものではなく、当該越権行為の相手方である第三者においてその行為が当該夫婦の日常家事に関する法律行為の範囲内に属すると信ずるにつき正当の理由のあるときにかぎり、民法110条の規定を類推適用し、その第三者を保護すべきものと解すべきであるところ、原審の適法に確定した事実関係のもとにおいては、被上告人を代理して本件手形貸付取引契約の連帯保証をなす権限が、被上告人の妻の日常家事代理権の範囲内に属するとは認められないし、上告人において、被上告人の妻の本件越権行為が被上告人夫婦の日常家事に関する法律行為の範囲内に属すると信ずるにつき正当の理由があつたものと認めることもできない。…』
  • ・白紙委任状及び印鑑証明書などが交付されていた場合の表見代理の成否
    【昭和42年11月10日最高裁判所第二小法廷(昭和42(オ)264)】
    甲が、乙の消費貸借債務を保証するため、丙又はその委任する第三者に当該保証契約締結の代理権を与える目的で、自己の白紙委任状及び印鑑証明書などを丙に交付した場合において、乙が丙から当該白紙委任状などの交付を受けてこれを利用し、みずから甲の代理人として貸主と連帯保証契約を締結したときは、甲は民法109条にいう「第三者ニ対シテ他人ニ代理権ヲ与ヘタル旨ヲ表示シタル者」に当たるとした事例。
  • ・白紙委任状及び売渡証書などが濫用された場合の表見代理の成否
    【昭和45年07月28日最高裁判所第三小法廷(昭和44(オ)174)】
    甲が、その所有の不動産を乙に売り渡し、乙の代理人丙を介して白紙委任状、名宛人白地の売渡証書など登記関係書類を交付したところ、当該不動産の所有権を取得した乙から、これを丁所有の不動産と交換することを委任されて当該各書類の交付を受けた丙が、これを濫用し、甲の代理人名義で丁との間で交換契約を締結したときは、丁において丙に代理権があると信じたことに正当の理由がある限り、甲は、丁に対し民法109条、110条によって当該交換契約につき責に任ずべきであるとした事例。

    『原判決(その引用する第一審判決を含む。以下同じ。)の適法に確定した事実関係によれば、被上告人は、・・・Dに対する本件山林の所有権移転登記手続に必要な書類として権利証、被上告人の印鑑証明書のほか、被上告人の記名押印および売渡物件の記載があり、金額、名宛人、年月日の各欄を白地とした売渡証書、被上告人の記名押印、目的物件および登記一切の権限を与える趣旨の委任事項の記載があり、受任者、年月日の各欄を白地としたいわゆる白紙委任状をEを介してDに交付し・・・・・・
    しかし、右事実によれば、被上告人は、本件山林の所有権移転登記手続のため右各書類をDの代理人Eに交付し、Eは、これをDに交付したが、Dは、ふたたびEを代理人とし、同人に右各書類を交付して同人をして上告人両名との間に本件山林と上告人両名共有の山林の交換に当らせ、Eは、上告人両名の代理人Fに対し、被上告人から何ら代理権を授与されていないにもかかわらず、右各書類を示して被上告人の代理人のごとく装い、契約の相手方を被上告人と誤信したFとの間に本件交換契約を締結するに至ったというのであつて、なるほど、右各書類は被上告人からEに、EからDに、そしてさらに、DからEに順次交付されてはいるが、Eは、被上告人から右各書類を直接交付され、また、Dは、Eから右各書類の交付を受けることを予定されていたもので、いずれも被上告人から信頼を受けた特定他人であって、たとい右各書類がDからさらにEに交付されても、右書類の授受は、被上告人にとって特定他人である同人ら間で前記のような経緯のもとになされたものにすぎないのであるから、Eにおいて、右各書類をFに示して被上告人の代理人として本件交換契約を締結した以上、被上告人は、Fに対しEに本件山林売渡の代理権を与えた旨を表示したものというべきであって、上告人側においてEに本件交換契約につき代理権があると信じ、かく信ずべき正当の事由があるならば、民法109条、110条によって本件交換契約につきその責に任ずべきものである。…
    そうだとすると、原判決は、右表見代理の規定の解釈を誤った結果、本件交換契約につきその適用はないとするに至ったものというべく、右違法は原判決に影響を及ぼすこと明らかであるから、原判決はこの点において破棄を免れない。』

認知症の評価スケールとして、医療福祉現場などで幅広く使用されているのが改定長谷川式知能評価スケール(HDS-R)です。