平成26年度不動産関連税制改正について

公益社団法人全日本不動産協会全日本不動産近畿流通センター
Z-support専任アドバイザー
中央会計株式会社
辛島政勇

1.はじめに

平成25年12月12日に「平成26年度税制改正大綱」が公表されました。
例年、税制改正大綱は12月に公表されるのが通常ですが、今回の税制改正大綱は先だって平成25年10月1日に平成26年度税制改正大綱の一部である「民間投資活性化等のための税制改正大綱」が公表され、同年12月に残りの税制改正大綱が公表されるという通常とはイレギュラーな形での公表となりました。

平成26年度税制改正では、昨年度税制改正のように相続税の基礎控除の引下げや贈与税の見直しといった不動産業界にも大きく影響をあたえるインパクトの強い改正はなされませんでしたが、その中でも、不動産に関連する改正項目について解説します。

中古住宅取得後に耐震改修工事をした場合の住宅ローン控除等の特別措置の拡充

【改正内容】
居住者が、地震に対する安全性に係る規定又はこれに準ずる基準(以下「耐震基準」という。)に適合しない既存住宅を取得した場合において、当該既存住宅の取得の日までに耐震改修工事の申請等をし、かつ、その者の居住の用に供する日までに耐震改修工事を完了していること等の一定の要件を満たすときは、当該既存住宅を耐震基準に適合する既存住宅とみなして、住宅借入金等を有する場合の所得税額の特別控除の適用を受けることができることとされました。
【適用時期】
上記の改正は、平成26年4月1日以後に既存住宅の取得をし、自己の居住の用に供する場合について適用されます。

特定の居住用財産の買換え及び交換の場合の長期譲渡所得の課税の特例の見直しと適用期限の延長

【制度の概要】
特定のマイホームを買い替えた場合、一定の要件を満たせば、譲渡益が出たとしてもその時点では課税されず、将来に繰り延べることができます。
そして、後日買い替えたマイホームを譲渡したときに、その譲渡益と繰り延べた譲渡益との合計額に課税されるという制度です。
【改正内容】
この特例を受けるには、マイホームの売却金額が「1.5億円以下」であることが要件とされていましたが、この要件が「1億円以下」に引き下げられ、その適用期限が2年間(平成27年12月31日まで)延長されました。
  改正前 改正後
譲渡資産の譲渡対価 1.5億円以下 1億円以下
【適用時期】
上記の改正は、平成26年1月1日以後に行う居住用財産の譲渡について適用されます。

居住用財産の買換え等の場合の譲渡損失の繰越控除等の適用期限の延長

【制度の概要】
マイホームを売却して、新たにマイホームを住宅ローンを組んで購入した場合に、旧マイホームの売却により損失が生じたときは、一定の要件を満たす場合は、その損失を給与所得や事業所得など他の所得から控除(損益通算)することができる制度です。
【改正内容】
この制度の適用期限が、2年間(平成27年12月31日まで)延長されました。

特定居住用財産の買換え等の場合の譲渡損失の損益通算及び繰越控除の適用期限の延長

【制度の概要】
住宅ローンのあるマイホームを住宅ローンの残高を下回る価格で売却して損失が生じたときは、一定の要件を満たすものに限り、その損失を給与所得や事業所得など他の所得から控除(損益通算)することができます。さらに損益通算を行っても控除しきれなかった損失は、売却した年の翌年以後3年内に繰り越して控除することができます。
【改正内容】
この制度の適用期限が、2年間(平成27年12月31日まで)延長されました。

相続財産を譲渡した場合の取得費の特例の縮減

【制度の概要】
相続により取得した土地、建物、株式などを一定期間内(相続開始のあった日の翌日から相続税の申告期限の翌日以後3年を経過する日まで)に譲渡した場合には、相続税額のうち一定金額を譲渡資産の取得費に加算して計算することができる制度です。
【改正内容】
取得費に加算できる相続税相当額が、「譲渡した土地等に対する相続税相当額」に縮減されました。
  改正前 改正後
取得費に加算される金額 相続した全ての土地等に対応する相続税相当額 譲渡した土地等に対応する相続税相当額
【適用時期】
上記の改正は、平成27年1月1日以後に開始する相続又は遺贈により取得した資産を譲渡する場合について適用されます。

買取再販で扱われる住宅の取得に係る登録免許税の特例措置の創設

【改正内容】
個人が、宅地建物取引業者により一定の増改築等が行われた一定の住宅用家屋を取得する場合における当該住宅用家屋に係る所有権の移転登記に対する登録免許税の税率を、1,000分の1(一般住宅1,000分の3、本則1,000分の20)に軽減する措置が講じられました。
【適用時期】
平成26年4月1日から平成28年3月31日までの間。

新築住宅に係る固定資産税の減額措置の延長

【制度の概要】
一定の要件を満たす住宅を新築した場合には、3年間(3階建以上の準耐火構造及び耐火構造住宅は5年間)固定資産資産税が減額されます。
【改正内容】
この制度の適用期限が、2年間(平成28年3月31までの新築分まで)延長されました。

特定認定長期優良住宅の所有権の保存登記等に対する登録免許税の税率の軽減措置の延長

【制度の概要】
特定認定長期優良住宅で住宅用家屋に該当するものを新築又は建築後使用されたことのない特定認定長期優良住宅で住宅用家屋に該当するものの取得をし、自己の居住の用に供した場合の保存又は移転登記(一戸建ての特定認定長期優良住宅の移転登記にあっては、1,000分の2となります。)に係る登録免許税率は1,000分の1に軽減されます。
【改正内容】
この制度の適用期限が、2年間(平成28年3月31まで)延長されました。

新築の認定長期優良住宅に係る固定資産税の税額の減額措置の延長

【制度の概要】
一定の要件を満たす認定長期優良住宅を新築した場合には、5年間(3階建て以上の耐火構造及び準耐火構造住宅は7年間)固定資産税が減額されます。
【改正内容】
この制度の適用期限が、2年間(平成28年3月31までの新築分まで)延長されました。

新築の認定長期優良住宅に係る不動産取得税の課税標準の特例措置の延長

【制度の概要】
一定の要件を満たす認定長期優良住宅を新築した場合には、不動産取得税の課税標準の計算において、1,300万円の控除を受けることができます。
【改正内容】
この制度の適用期限が、2年間(平成28年3月31までの新築分まで)延長されました。