取引・苦情処理業務指導者研修会

平成26年12月1日(月)13:30〜17:00保証協会総本部主催の標記研修会が、大阪市中央区西心斎橋のホテル日航大阪において、下記の通り開催されました。
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司会:保証総本部事務局 町田 和彦

1.開会の辞
総本部教育研修委員長 小田原義征

2.研修:保証協会の業務と現況について
専務理事 中村 裕昌
公益社団法人不動産保証協会の業務と現況について

3.研修:求償業務について
求償副委員長 原田 良樹
求償業務について
(参考資料)苦情処理・弁済業務と求償業務の関連性について
求償債務者に関する情報提供(噂も含む)のお願い

4.研修:グループごとに演習問題の検討、解答発表、講師による講評、質疑応答
事例(1)不動産売買と瑕疵担保責任
事例(2)図面の間違いと手付倍返しによる解除
講演レジュメ〜民法改正、相続と不動産取引について〜 (演習問題)(解説)

5.講演:「民法改正、相続と不動産取引について」
弁護士法人 京阪藤和法律事務所 弁護士 松藤 隆則

意見交換会

宅地建物取引業法施行令の一部改正>

「マンションの建替えの円滑化等に関する法律の一部を改正する法律が施行されました」

地震に対する安全性が確保されていないマンションの建替え等の円滑化を図るため、マンション及びその敷地の売却を5分の4の多数決により行うことを可能とする制度を創設するマンションの建替えの円滑化等に関する法律の一部を改正する法律(平成26年法律第80号。以下「改正法」という。)が6月25日に公布され、施行期日及び改正法において創設するマンション敷地売却事業及び耐震性不足マンションの建替えに係る容積率の緩和特例に関する政令事項の整備を行うとともに、マンション敷地売却事業の創設に伴う独立行政法人住宅金融支援機構法施行令(平成19年政令第30号)の改正等を行い、平成26年12月24日に施行されました。
これに伴い、宅地建物取引業法施行令及び不動産特定共同事業法施行令の一部が改正され、広告の開始時期を制限する許可等の処分及び建物の売買等の際に説明が義務付けられる重要事項に、特定行政庁による容積率の特例の許可が追加されます。

〜改正のポイントは、マンション敷地売却制度の創設と容積率の緩和特例です〜

マンション敷地売却制度とは、耐震性不足の認定を受けたマンション(要除却認定マンション)については、区分所有者の5分の4以上の賛成で、マンションおよびその敷地の売却を行う旨を決議できるというものです。改正前は、多数決で売却することはできませんでした。改正マンション建替え円滑化法の敷地売却制度においては、マンションを買い受けようとする者は、買受計画を作成し、都道府県知事に申請する必要があるとされています。
例えば、耐震性不足の認定を受けたマンションとその敷地をデベロッパーなどの買受人に売却し、建物は買受人に除却してもらうことになります。除却後の土地の用途については法律の制限はありませんが、一般的には新しいマンションが建てられることが多いと思われます。その場合、区分所有者等も、新しく建てられるマンションへの再入居の他、代替住居の提供やあっせんなどの有無が明確でないと、売却決議はできません。そのために、買い受けようとする者が買受計画を作成し、認定を受けなければならないというものです。

もう一つの容積率の緩和は、耐震性不足の認定を受けたマンションの建替えにより新たに建築されるマンションで、一定の敷地面積を有し(注1)、市街地環境の整備・改善に資するものについては、特定行政庁(建築確認や完了検査などを自ら行う都道府県・市・特別区)の許可により容積率制限が緩和されます。改正マンション建替え円滑化法の対象となるのは、あくまでも耐震性が不足するマンションであって、法を活用するためには、「建築物の耐震改修の促進に関する法律」(耐震改修促進法:改正マンション建替え円滑化法に比べると認知度は低いのですが、実は重要な法律で、昨年11月に一部が改正され施行されました。改正耐震改修促進法では、耐震改修を円滑に促進するために、耐震改修計画の認定基準が緩和され、容積率や建ぺい率の特例措置が講じられました。)の場合と同様に耐震診断を受け、耐震性能(Is値)が0.6未満(鉄筋コンクリート造の場合)と危険なため除却(取り壊し)が必要、といったように、特定行政庁から耐震性不足が客観的に認定される必要があります。

(注1)除却する必要のあるマンションに係る容積率の特例に係る敷地面積の規模・改正法第105条第1項の政令で定める規模(マンション建替え円滑化法施行令第27条)
都市計画法に定める用途地域ごとに、

  • ◆第1種低層住居専用地域、第2種低層住居専用地域又は用途地域の定めの無い地域
    1000m2以上
  • ◆第1種中高層住居専用地域、第2種中高層住居専用地域、第1種住居地域、第2種住居地域、準住居地域、準工業地域、工業地域又は工業専用地域
    500m2以上
  • ◆近隣商業地域又は商業地域
    300m2以上

又、区分所有建築物については、耐震改修の必要性の認定を受けた建築物について、大規模な耐震改修を行おうとする場合の決議要件が緩和されました。具体的には、区分所有法における決議要件が4分の3以上から過半数になりました。厳密にいうと、耐震改修が共用部分(区分所有法17条1項)の変更に該当する場合でも「集会の決議」で足りるとされましたので、必ずしも全区分所有者の「過半数」の必要はなく、「集会の決議」について標準的な管理規約が定めているように、半数以上の集会出席があり、その出席者の過半数の賛成で足ります。耐震改修工事が非常にやりやすくなりました。このことは重要です。

宅建業法では、法33条(広告開始時期の制限に係る法令に基づく許可等の処分で政令で定めるものに容積率制限緩和許可が該当)、35条1項2号(重要事項の説明に係る法令に基づく制限に応じて政令で定めるものにマンションの建替えの円滑化等に関する法律が該当)、36条(契約締結時期の制限に係る法令に基づく許可等の処分で政令で定めるもに、容積率制限緩和許可が該当)が抵触することとなりますので注意が必要です。