【2016年10月号特集】オレンジリボン運動

オレンジリボン運動の起源

2004年、栃木県小山市で3歳と4歳になる二人の可愛らしい兄弟が何度も何度も父親の友人から暴行を受けていました。コンビニの店長さんが2人の顔と腹にあざがあったため、警察に通報したのですが、いったんは保護されながら、周囲の諸機関が適切な措置を取らなかったために、9月11日ガソリンスタンドで殴る蹴るの暴行を長時間受け、その後車の中でもさんざん暴行を受け、息も絶え絶えの状態で、橋の上から川に投げ込まれて幼い命を奪われるという痛ましい事件が起こりました。

2005年、栃木県小山市の「カンガルーOYAMA」という団体が、二度とこのような事件が起こらないようにという願いを込めて、子ども虐待防止を目指してオレンジリボン運動が始まりました。

この事件をきっかけに、全国でオレンジリボン運動が始まりました。
「運動の趣旨」
オレンジリボン運動は、「子ども虐待のない社会の実現」を目指す市民運動です。
オレンジリボンは、そのシンボルマークであり、オレンジ色は子どもたちの明るい未来を表しています。子ども虐待の防止は、児童相談所や市町村などの公的機関だけで行えるものではありません。わたしたち一人一人が「子育てにやさしい社会」を作ることが、子ども虐待の防止につながります。子ども虐待防止の活動には、さまざまなものがあります。
この運動では、子ども虐待防止に賛同される方が、それぞれ胸にオレンジリボンを着けることで、子ども虐待防止の活動に参加していただけるのです。オレンジリボンは、子育てを温かく見守り、子育てをお手伝いする意志のあることを示すマークなのです。

この活動の拡がりは社会を変えます。
「子ども虐待のない社会を目指す」人が増えることは、国や自治体に対する大きな働きかけになります。これにより、子ども虐待防止活動を担う人が増やされ、虐待から保護された子どもが親から離れて生活する生活環境の改善につながるのです。
虐待に悩む親への支援や虐待された子どもへの治療も充実していきます。
オレンジリボン運動は、子ども虐待の防止の直接的・具体的な活動ではありませんが、このようにさまざまな分野での取り組みを一番元になるところで支え、現状の改善につなげる運動です。
出典:「NPO法人児童虐待防止全国ネットワーク」

統計データ

虐待死虐待による死亡事例は年間50件を超え、1週間に1人の子どもが命を落としています。

(社会保障審議会児童部会児童虐待等要保護事例の検証に関する専門委員会 子ども虐待による死亡事例等の検証結果等について
第1次報告〜第9次報告より)

虐待相談対応件数児童相談所における児童虐待相談対応件数は24年間で約80倍に増加しています。

出典:「NPO法人児童虐待防止全国ネットワーク」

児童虐待インタビュー

厚生労働省は2016年8月4日、2015年度に全国の児童相談所が相談を受け対応した児童虐待件数が過去最高の10万3260件だったと発表しました。1990年度に統計を取り始めて以降25年連続で増加し、始めて10万件を超えました。

今回は虐待の現状と課題を知るため、特定非営利活動法人 児童虐待防止協会 理事長 津崎 哲郎さんにインタビューを行いました。

「虐待の現状について教えてください」
子どもの前で親が配偶者に暴力を振るう「前面ドメスティックバイオレンス」が虐待として認知されるようになり、警察からの通報が増え、2015年は児童虐待件数が10万件を超えました。都市部での親の孤立、母子家庭等の貧困層の増加、近年では4組に1組が再婚していると言われますが、連れ子との関係の問題で虐待が起こっています。

「虐待の課題や問題について教えてください」
色々とある中で、例えば再婚で連れ子があった場合、親は体裁を気にしてしつけを厳しくしようとしがち、それがかえって親子の関係を悪化させる。アメリカでは再婚生活で予想していなかった感情等の問題を、相談できるような場所があるが日本にはない。また保育園の待機児童問題も、夜間労働者に対して支援はないのが現状、夜間勤務をしていると子どもを保育園に朝、連れていけないので、子どもの送り迎え等のサポートがあればと思う。
また、日本は1歳未満の乳児の死亡率は低いにも関わらず、1歳から5歳未満の子どもの死亡率はかなり高く、その中で死亡原因が「不慮の事故」が多い。サンフランシスコでは3歳以下の死亡例については原則として前例解剖を行うことを制度化しているとされていますが、日本にはこの制度はありません。このような制度が導入されれば、虐待だけではなく死亡につながる事故の防止策等の、実施を行えると思っています。

「不動産業者が児童虐待について出来る支援について教えてください」
まず誰にでも出来る「10秒子育て」を心がけて欲しい。子ども連れの親に席を譲る、泣いている子どもを一緒にあやす、ベビーカーを階段で運んであげる。このような思いやりは、お父さん、お母さんの励みになります。
不動産業者さんに求めることは、都市部のマンション住人が孤立して虐待をしてしまうケースが増加傾向にあると思うので、緊急時には児童相談所のスタッフがマンションに入れる。またマンションの管理人と行政が連携し、虐待の傾向にある家庭を把握出来ればと思う。 その他、何らかの事情で家に帰る事が出来ない10代の女性に対して、緊急一時避難場所を提供しているが、この様な子どもが自立できるよう場所の提供等をしていただければと思う。ある不動産会社は、児童施設で育った子ども達が自立をする際、1人暮らしのシミュレーションを数週間できる場所を提供してくれている。その様な支援は非常にありがたい。

行政が抱える虐待の現状と課題を知るため、大阪府福祉部 子ども室 家庭支援課 相談支援グループ 課長補佐 林 美恵子さん、総括主査 西巻 勝弘さんにインタビューを行いました。

「虐待の現状について教えてください」
大阪府における児童虐待相談対応件数は、2015年に1万件を超えました。市民の関心の高さから、たくさんの相談を受けることが出来ています。ただ虐待の数は増加傾向にあります。

「虐待の課題や問題について教えてください」
大阪府では特定妊婦と呼ばれる、出産後に、養育支援が必要な女性の支援、養育に不安や困難のある保護者の支援。虐待の早期発見、早期対応が出来るよう、オレンジリボンキャンペーンの継続や、住宅を管理する皆様に、オートロックの解除を呼びかけています。また虐待の再発防止に向けた保護者支援プログラムの実施、家族再統合の推進。虐待に対応する市町村等の人材育成の支援も行っていますが、予算や人員不足等の問題もあり、課題は多く残されています。

「不動産業者が児童虐待について出来る支援について教えてください」
オレンジリボン啓発運動にご協力いただく、「大阪府子どもを虐待から守る条例」を理解し、広めていただく。このような運動は、大きな力となっています。マンションの住民が管理人に相談し、そこから児童相談所に相談の電話が入ることもあります。子どもの命を助ける、第一歩が何であるかを、多くの方が知り、実行してくれれば、助かる命は今後も、増えていくと思います。

公益社団法人 全日本不動産協会 大阪府本部のオレンジリボン啓発活動

◆大阪府本部青年部は、平成27年11月7日、公園東口駅前にて、大阪府主催で行われた「ガンバ大阪」とのコラボイベントに参加しました。児童虐待防止オレンジリボンについてのリーフレット・「全日のロゴ」および「オレンジリボン」等が印刷されたクリアファイルを配布しました。また、ハーフタイムには、オレンジリボンキャンペーンの垂れ幕を持って、グラウンドを一周し、児童虐待防止オレンジリボンの啓発運動を行いました。

公園東口駅前・万博記念競技場


◆大阪府本部青年部は50歳以下の会員関係者(従業員を含む)を対象に「名刺交換・情報交換会」を行った際、参加者115名に児童相談所全国共通ダイヤル「189」、こどもを虐待から守る大阪府条例の説明を行った後、オレンジリボンの募金活動を行い、集まった全額21,208円を特定非営利活動法人児童虐待防止協会へ寄附しました。寄附をいただいた方に、オレンジリボンバッジを配付した。(平成28年7月22日OMMビル会議室で開催)

  • ◆平成27年10月 大阪府福祉部 子ども室 家庭支援課 相談支援グループへ児童虐待防止クリアファイル900枚を寄贈した。
  • ◆平成27年10月 教育研修委員会が行う、10月の入会者研修会より「住宅を管理する皆様へのお願い」、「児童相談所全国共通ダイヤル189」、リーフレットを研修会資料に封入することとなった。
  • ◆平成28年2月 教育研修委員会が開催する「不動産のこと学ぼう会市民講座」の資料に「住宅を管理する皆様へのお願い」、「児童相談所全国共通ダイヤル189」、リーフレットを封入した。また、研修会当日は、大阪府庁子ども室家庭支援課より担当者をお呼びし、リーフレットについて説明いただきました。1680部の資料を配布した。
  • ◆平成28年 5月 特定非営利活動法人児童虐待防止協会の賛助会員として入会した。
  • ◆平成28年11月 「日本子ども虐待防止学会第22回学術集会おおさか大会」への寄附・広告を行う予定。


オレンジリボンは子ども虐待防止のシンボルマークです

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189番にかけると、お近くの児童相談所につながります。

出典:「NPO法人児童虐待防止全国ネットワーク」