【2017年9月号特集】住宅宿泊事業法

公益社団法人全日本不動産協会 全日本不動産近畿流通センター
Z-support専任アドバイザー
弁護士法人 京阪藤和法律事務所
弁護士 中島宏樹

はじめに
宿泊提供については、昭和23年以来、旅館業法によって規律されてきました。
近年、外国人観光客の増加に伴う宿泊施設の不足、人口減少に伴う空き家の増加、インターネット技術の発達などにより、あらたなビジネスモデルとして、民間住宅を宿泊施設として利用する、いわゆる民泊が登場し、脚光を浴びるようになりました。
ところが、旅館業法の改正では、民泊に対応することが難しく、違法民泊が横行し、公衆衛生の悪化、地域住民等とのトラブルも少なからず発生していました。
このような状況を受けて、民泊という営業形態による宿泊提供に対応するべく、平成29年6月9日、住宅宿泊事業法が制定されました。
本稿では、平成30年1月施行予定の住宅宿泊事業法のポイントを紹介させていただきたいと思います。
住宅宿泊事業者に係る制度の創設
住宅宿泊事業(民泊サービス)を行おうとする者は、都道府県知事への届出を行うことで、年間180日を上限として、民泊サービスを実施することができることとなりました。
ただし、日数制限は、都道府県の条例により、制限することが可能となされています。
民泊サービスとして、_伴腟鐔桟燭鉢家主不在型の2種類の類型が用意されました。
_伴腟鐔桟燭砲弔い討蓮∋業者に、適正な遂行のための措置(衛生確保措置、騒音防止のための説明、苦情への対応、宿泊者名簿の作成・備付、標識の提示等)が義務付けられます。
家主不在型については、事業者は、上記措置を住宅宿泊管理業者に委託することが義務付けられます。
住宅宿泊管理業者に係る制度の創設
住宅宿泊管理業を営もうとする者は、国土交通大臣の登録を行うことで、住宅宿泊事業者への契約内容の説明等の実施、及び、上記措置(ただし、標識の掲示を除く)の代行を行うことができることとなりました。
住宅宿泊仲介業者に係る制度の創設
住宅宿泊仲介業を営もうとする者は、観光庁長官の登録を行うことで、住宅宿泊事業者への契約内容の説明等を行うことができることとなりました。
おわりに
平成29年7月17日、みずほ銀行が国内の銀行としては初めて、民泊サイトの世界最大手・Airbnb(エアビーアンドビー)と業務提携することを発表するなど、民泊業界が活況を呈しつつあります。
民泊が運営されることにより、設備投資、リフォーム、増改築など新たなビジネスチャンスが生まれます。
住宅宿泊事業制度が今般、導入されたことにより、国土交通大臣や観光庁長官の登録を行うことで、年間180日を上限として適法に民泊を運営する道が開けました。
国内外の観光客の来訪及び滞在の促進、ひいては、国民経済の発展という目標を達成するべく、住宅宿泊事業制度の利用を検討していただければ幸いです。
なお、住宅宿泊事業法の詳細については、国土交通省のHPに掲載されている「概要」と題する資料をご参照ください。