【2017年11月号特集】空家バンクとの連携による「リノベーションまちづくり」

空家等が今後さらに増加していくと、人々のくらしを支えるコミュニティが衰退するなど、地域の活力や魅力の低下につながります。また、適正な管理が行われていない空家等は、まちの安全性・防災性の低下や衛生上・景観上の悪化等の悪影響を周辺に与えるなど、地域の安全・安心を損なうことにもつながります。こうした空家等による地域力の低下を防ぐために、早急な空家等対策が必要となります。

国においては、平成27年5月に、適切な管理が行われず地域住民の生活環境に深刻な影響を及ぼしている空家等(以下、「特定空家等」という。)への対策と空家等の活用促進に関する施策を総合的に推進するため「空家等対策の推進に関する特別措置法」(以下、「空家法」という。)が施行されました。

市町村では、空家法に基づき、現在、空家等の実態把握調査を実施するとともに、特定空家等に対する措置の実施に向けて、その判断基準の作成や、空家等対策計画の策定に向けた検討などが進められている状況です。しかしながら市町村における空家等の対策はまだまだ停滞状況にあるといえます。世帯数の伸びに対して住宅数は増加傾向にあり、現状のままでは、今後もさらに空家数は増加することが想定されることから、地域の活力や魅力の低下につながらないよう、早急な空家等対策が必要です。

現行空家法等の課題としては、空家全体の約1割を占め、そのうち約半数に「腐朽・破損」がある長屋は、1戸でも居住者がいれば、現在の空家法上の「空家等」に含まれず、空家法に基づく特定空家等に対する措置などができないという制度的課題があります。

空家対策の具体的な戦略としては、今後も空家数の増加が見込まれるなか、特定空家等に対する措置や「まち育て」の視点を持った空家等対策を進めるためには、市町村による自立的な取組が一層重要となります。
また、空家等が、一層利活用される状況を作り出すためには、空家等を含めた中古住宅流通市場やリフォーム・リノベーション市場の環境整備・活性化につながる取り組みも重要です。
このような総合的な空家等対策を戦略的に推進していくために、大阪府の場合、「市町村における空家等対策の促進」と「中古住宅流通、リフォーム・リノベーション市場の環境整備・活性化」の2つを柱に、次のような体系で具体的な戦略による取組が実施されます。

1.市町村における空家等対策の促進
ア)空家法等に基づく空家等対策の促進
市町村による空家等対策計画の策定をはじめ、特定空家等に対する措置や空家等の利活用に関する取組など、市町村による空家等対策を促進します。また、市町村が空家等対策の取組を進める上で抱える課題の解決に向けた支援が実施されます。
偽家等対策計画の策定促進
尭団蟠家等に対する措置の適切な実施の促進
袈家法等にかかる制度改善等に向けた取組の推進

イ)「まち育て」の視点を持った利活用の促進
市町村が策定した空家等対策計画に基づき、空家等対策を重点的に実施する地区等において、空家を利活用して地域特性に応じた魅力ある住まいや施設等への転換、地域活性化につながる仕掛けづくりなど、民主導による「リノベーションまちづくり」の積極的な取組が進むよう、市町村への支援がなされます。
検屮螢離戞璽轡腑鵑泙舛鼎り」の更なる展開
2.中古住宅流通市場、リフォーム・リノベーション市場の
環境整備・活性化
公民連携により設立した場などを活用して、不動産・建築・法律・商工・金融など様々な分野の民間事業者との連携を強化し、府民が安心して中古住宅の売買や賃借及びリフォーム・リノベーションが行えるよう、市場の更なる環境整備と活性化に向けた取が推進されます。
耕閏臚海痢崑膾緘如Χ家バンク」による空家の利活用と市場流通促進
唆家の適正評価等による中古住宅流通の促進
嗣ノ賄なリノベーション、DIY等の普及促進
雫家等所有者への適正管理・除去・利活用の意識啓発
「リノベーションまちづくり」の考えられる展開の方向性
市町村が空き家バンクを設置している地域を空家等対策計画の重点地区等として位置づけた場合は、「リノベーションまちづくり」の取組と連携して、地域関係者等による空き家バンクに登録された利活用を支援し、地域活性化に向けた取組を促進することが考えられます。また、空家所有者と利活用希望者とのマッチングする仕組みが有効に機能すれば新たに空家バンクに登録される物件が増えるといった効果も期待され、更なる利活用が促進されることにもつながります。

「大阪版・空家バンク」のホームページ

空家バンクを導入していない市町においても、市町が掲げる政策目的や力を注ぐ施策の情報、自然や歴史など地域の魅力に関する情報、娯楽やイベントなどの暮らしに役立つ情報と併せて、当初から「リノベーションまちづくり」と連携し、空家の登録や利活用希望者との促進する効果的な空家バンクを新規で導入することなどが考えられます。

その他、密集市街地の対策と空家等対策(特定空家等の除去)の連携による防災性向上と地域の活性化・中心市街地・商店街等にある空家の利活用による地域の利便性の向上や賑わいの創出、世代間交流につながる施設などに誘導するなど地元関係者や民間事業者等が主体となった「リノベーションまちづくり」を地域に展開し、まちの魅力づくりを進めていくことが考えられます。

以上、空家総合戦略・大阪(大阪府 平成28年12月)を引用し記載させていただきました。

今後、公民一体となって、空家等の利活用の普及啓発やまちの特徴と課題を踏まえたまちづくり機運をより一層高めていくことが重要ではないでしょうか。