【2018年1月号特集】
インスペクション【宅地建物取引業法に基づく建物状況調査】の概要
【平成30年4月1日施行部分】

宅地建物取引業法に基づく建物状況調査とは

建物状況調査とは、既存住宅の基礎、外壁等の部位毎に生じているひび割れ、雨漏り等の劣化・不具合の有無を目視、計測等により調査するものです。建物状況調査は国の登録を受けた既存住宅状況調査技術者講習を修了した建築士(既存住宅状況調査技術者)が国が定めた既存住宅状況調査方法基準に規定する方法で実施します。
調査に使用する機材は調査実施者によって異なりますが、例えば床の調査であればレーザー水平器等、基礎の調査であればクラックスケール・鉄筋探査機等が使われます。
講習を修了していない建築士や検査事業者が実施する調査は、宅地建物取引業法に基づく建物状況調査には当たりません。
建物状況調査の対象となるのは既存の住宅(人の居住の用に供した住宅、又は建設工事の完了の日から1年を経過した住宅、のいずれかに該当するもの)です。共同住宅(マンションやアパート等)共に対象となります。戸建て住宅(木造)の場合、床下の蟻害、腐朽等の調査を行います。マンション(鉄筋コンクリート造)の場合、コンクリートの強度や鉄筋の本数・間隔の調査を行います。
なお、マンションの建物状況調査では、1棟全体を対象とする「住棟型」と、住戸を対象とする「住戸型」があり、専有部分だけでなく共用部分の調査が行われます。また、賃貸住宅も対象となります。
なお、店舗や事務所は建物状況調査の対象ではありません。

建物状況調査の費用についての基準の設定はなく、各調査実施者により費用は異なります。建物状況調査に要する費用については、各調査実施者にお問い合わせいただくこととなります。
既存住宅を売買する場合に、必ず建物状況調査を実施しなければならないものではありません。購入希望の既存住宅について建物状況調査を実施する場合には、あらかじめ売主の承諾を得る必要がありますので、建物状況調査を実施したい場合には宅地建物取引業者にその旨をお伝えいただくこととなります。

建物の構造耐力上主要な部分及び雨水の浸入を防止する部分が調査対象部位です。
具体的な調査箇所は工法により異なりますが、構造耐力上主要な部分に関しては「基礎、土台及び床組、床、柱及び梁、外壁及び軒裏、バルコニー、内壁、天井、小屋組」、雨水の浸入を防止する部分に関しては「外壁、内壁、天井、屋根」が一般的です。
オプション調査を依頼する場合を除き、建物状況調査を実施する者によって調査対象部位が異なることはありません。

建物状況調査を行うことで、調査時点における住宅の状況を把握した上で、売買等の取引を行うことができ、取引後のトラブルの発生を抑制することができます。また、既存住宅購入後に建物状況調査の結果を参考にリフォームやメンテナンス等を行うことができます。
さらに、住宅瑕疵担保責任保険法人の登録を受けた検査事業者の検査人が建物状況調査を実施し、建物状況調査の結果、劣化・不具合等が無いなど一定の条件を満たす場合には、既存住宅売買瑕疵保険に加入することができます。